「プレゼンテーション」の語源は、人に何かを贈るという「プレゼント」です。聞いている人に、自分の持っている情報をあげることが、プレゼンテーションなのです。日本語では、略して「プレゼン」とも言います。
プレゼンのタイトルはいちばん言いたいこと=「キーワード」なので、インパクトがあって、オリジナリティを感じさせるものになるように考えましょう。
わかりやすく、聞き手に伝わるプレゼンをするために、まず考えなくてはならないのは、「プレゼンのテーマ」です。そして、そのテーマを短い「ワンセンテンス」で、例えば10秒程度で表現できるように簡潔かつ明確なものにします。聞き手を惹きつけて興味を覚えさせるようなものにできれば、「おもしろそうだから聞いてみよう」という気持ちになってくれます。
プレゼンには達成したい目的で5段階のレベルがあります。
① 自分の考えを聞き手に伝える
② 自分の考えを聞き手に理解してもらう
③ プレゼンによって、聞き手が行動しようと考える
④ プレゼンによって、聞き手にとって良い変化が起きる
⑤ その変化で、話し手である自分にも良い結果がもたらされる
プレゼンというと、大勢の人の前でスピーチをするイメージがあるかもしれませんが、相手がひとりでも、自分の考えや提案をしっかりと伝わるように話すこともプレゼンなのです。
聞き手に分かりやすく自分の考えや意見伝えることは、コミュニケーションの基本です。その前提になるのは、聞き手との間に「共感」が生まれることです。具体的には、提示される物やサービス、感情などに価値観を感じるようになることです。
プレゼン力は、自分を相手に認めてもらって、提案を受け入れてもらうものなので、「自分の価値を高めて、上手に生きていくためのスキル」そして「良い人間関係を作るスキル」でもあります。
相手に伝わり、行動してもらうことにつながるプレゼンは三つの要素の掛け算でできています。
「伝えたい気持ち」 ✕ 「相手への想像力」 ✕ 「伝わる方法」
「伝えたい気持ち」は、伝えたい「自分自身の思い」で、それがしっかりあるからこそ、相手の気持ちを揺さぶって、行動につながるプレゼンになります。
「相手への想像力」は、自分が伝えたいことについて、聞き手がどんな考えをもっているか、聞き手にとってのメリットはなんだろうといったことを想像する力です。
「伝わる方法」は、聞き手をひきつける話し方や話の展開の組み立て方、見せる資料の作り方と言ったプレゼンのテクニックです。
伝える方法は、言葉だけに限りません。絵を描くことが好きなら、「絵」という表現方法をとっても良いのです。アメリカでは「A picture is worth a thousand words」「1枚の絵は1,000の言葉に値する」という言葉があります。
子どもたちは、絵を細かいところまでじっと見ているので、語り手はその「沈黙の時間」を大切にしなければなりません。心の中で、子どもたちに『さあ、これからどうなるのでしょうね』と話しかけながら、沈黙に耐えるのです。
「こどもプレゼン教室」前田鎌利 著
「13歳からのプレゼンテーション」松永俊彦 監修
「コミュニケーションを高めるプレゼン・発表術」岩波ジュニア新書刊
「子どもが夢中になる絵本の読み聞かせ方」景山聖子著 廣済堂出版刊
コメント