児童文学者のリリアン・H・スミス氏は、次のように述べています。
「すぐれた絵本のポイント」
(1)その発想が新鮮で、独自の空想に富んでいること
(2)しっかりしたテーマがあること
(3)読者である子どもが自分と同一視できる主人公がいること
(4)題材が空想的なもので、子どもの身近なものとの関連があること
「幼児が絵本を楽しむポイント」
(1)幼児はまずその絵からストーリーをくみ取るので、絵が物語ること
(2)絵本はまず第一に幼児の感覚(知性、情緒)に訴えるべき
(3)冒険の要素があること
「紙芝居の構想を練る」
(1)伝えたいと思っているメインテーマは何か?
(2)思いを受けとめてもらうためには、それをどんなメッセージとして表現するのか?
(3)語りたいこと、描きたいことがたくさんあっても、削ってシンプルなストーリーにする
(4)ストーリー展開は、起承転結で組み立てる。どこに山場を持ってくるかを考える
(5)「セリフ」をメインにして、現在進行形で進めると臨場感が生まれる
(6) 短い文章、コミュニケーションがとりやすい文章にする
(7) 構成やシーンを考えるには、小さくコマ割りをした構図のイメージ画「コマ割り」を描いてみる
「紙芝居を制作する」
①横に抜く動きを計算に入れて、絵の配置を考える
② 絵のアレンジを考える
③ 遠くからでも分かるように人物には輪郭をつけ、何をしているかが分かるように大きく描く。背景はすっきりとする
④ 濃い色をつける。色鉛筆で下絵を描いた場合には、しっかりと絵具で色をつける
⑤ その場面で何が起きているのかがはっきり伝わるようにする
⑥ 「クローズアップ」「遠景」「俯瞰」を使う
⑦ 画面外に続いていくような線や面を生かすことで、絵の世界が広がる
⑧ 半分抜いて止めて続ける時には、人物が次の絵と残っている前の絵で重複しないようにする
⑨ 擬音や動きを表す線は描かない。(セリフで伝える)
⑩ 実際に演じてみて、観客の反応を確かめてから、展開の構成や絵を描きなおす。
紙芝居は、「舞台」と呼ばれる木枠に入れた何枚かの紙絵を引き出しながら演じられます。
紙絵は立てた状態で木枠に入れられているので、厚みがあって、印刷にも適している「コートボール紙」や建築模型に使われる「イラストレーションボード」や「特厚口画用紙」が使われます。
現在の紙芝居は、かつての街頭紙芝居や教育紙芝居ではない「エンタメ紙芝居」として注目されるようになっています。
もともと歴史的には、紙芝居には「からくり」的な要素がたくさん含まれていましたが、紙芝居をエンターテインメントとして追及するようになると次のような傾向が出てくると言われます。
(1)観客数が多くなるイベントでは、ポピュラーなB4サイズでは画面が小さすぎるので、大型化する。
(2)大人数の聴衆に届くように語りにはマイクや音響を使う。
(3)拍子木だけではなく、鳴り物(楽器)や音楽(ミュージカル風)を入れる。
(4)絵の一部が動いたりする「仕掛け」を入れる。
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