(6)子どもが作り、演じる紙芝居

プレゼンテーションでは、写真よりもシンプルな絵を使った方がわかりやすく、印象に残り、何よりも楽しい雰囲気になるとされています。

プレゼンの理想的な姿は、話し手と聞き手との間に「一体感」が生まれることです。そのために有効なのが「絵」であり「ユーモア」なのです。

日記は、個人が日々の出来事を記録した文書で、単なる記録として扱われるものから、文学として扱われるものまで、その内容は様々です。「日記をつける」と表現されるように、一般的には日記は、個人が日々の出来事を記録するもので、誰かに見てもらう、読んでもらうことを前提にして、書くものではありません。

では、文字だけで綴られる日記ではなく、夏休みの宿題の定番として「絵日記」が選ばれているのは、どうしてでしょうか?

絵を描き、それを文字で補足説明することで、右脳も左脳も使って、子どもの想像力を養うことに役立つから、あるいは、目にしたものを直感的に絵にすることで、記憶力を強くできるからでしょうか?

子どもの立場から言えば、「絵日記」は、子ども自身が「この話を他の人に伝えたい」と思って書いているわけではなくて、単に「絵を描くのがおもしろい」、そしてその絵にナレーションの言葉を添えることで、まるで「絵本がひとつ作れた」というような達成感や満足感を感じているのではないでしょうか?

ほんものの大人の紙芝居では「あなたならではの特性が追及されているもの」で、作品の世界が現実空間に出て広がり、観客が共感しながら作品の世界を自分自身のものにしていくと定義されています。

そして、紙芝居は、作品の内容が生きる意味とよろこびを追求し、共感で受けとめることができるメッセージであり、ほんものの紙芝居は、すぐれた絵と美しい言葉によって表現されていると解説されています。

おままごと遊びをしている子どもたちは、それぞれにお母さん役、お父さん役、こども役などを割り振って、サザエさん一家の日常を演じているかのようです。子どもが作る紙芝居は「遊びどうぐ」であり、子どもが演じるのは良い意味での「おままごと芝居」ということになります。

紙芝居の絵は上手に描けなくてもいい、楽しく描ければそれがいちばん大切。

紙芝居を演じる時には、自分の気持ちや思いを素直に表現すればいい。

相手をわくわくさせたり、興味をもってもらおうとするなら、大人の場合には、脳の「むずかしく考えるモード」をオフにすることが大切と言われますが、子どもはもともと「むずかしく考えることはしない」のですから、あるがまま、そのままで大人には真似できないパフォーマンスを演じられるのです。

大人には子どものように「わくわくモード」で考えて、おもしろがって子どものように話すことが勧めらていますが、子どもは意識してそうなろうとしなくても、素のままで千両役者なのです。

絵を描くことが好きな子ども、わくわくする展開のゲームが好きな子ども、歌ったり踊ったりするパフォーマンスが好きな子ども、友だちをおもしろがらせるのが好きな子ども、読書が好きな子どもに、紙芝居に挑戦してもらいたいと考えています。

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