活動の理念

私たちに、かけがえのない家族となる子犬を、産み育んでくれるお母さん犬をしあわせに
しあわせなお母さん犬から産まれた子犬をしあわせにする「子犬のしあわせエージェント」

2022年度に日本ペットフード協会が出した全国犬猫飼養実態調査報告書では、新たに犬を迎える際の入手先は、次のようになっています。
ペットショップから  51.9%
ブリーダー直販    25.7%
友人・知人から    13.5%
保護団体から      7.4%

ペットショップは、ブリーダーが繁殖した純血種やミックス犬の子犬を仕入れているので、ブリーダー直販と合わせると、ブリーダーの繁殖した子犬が全体の77.6%を占めていることになります。

動物愛護管理法の改正で、第一種動物取扱業のブリーダーには、繁殖犬(台メス)の飼養環境を良好にすることを目的とした規制が導入されました。

★寝床や休息場所となるケージは、日常的な動作がしやすい十分な広さがあること。
★ケージの床には、肉球が痛むおそれがある金網(網スノコ)を使ってはいけない。
★運動のための十分な運動スペースを用意して、一日3時間以上、自由に運動できるようにする。
★適切な室温、換気、湿度が保たれ、清潔に管理されていること、鳴き声による騒音を防止する。
★被毛が汚れている、毛玉で覆われている、爪が異常に伸びているなど、不適切な身体状態にしない。
★適切な飼養のために、繁殖犬15頭ごとに常勤の従業員をひとり雇わなければならない。
★繁殖犬の出産回数は6回まで、年齢は6歳までとする。
★帝王切開の場合には、獣医師の出生証明書と診断書を5年間、保管しなければならない。
★販売する子犬は、生後57日以上でなければならない。(8週齢規制)

動物利用を認めることを前提とする牛や豚などの家畜の飼養環境に配慮した考え方「アニマルウェルフェア」の精神と欧米の犬に関する法令などを参考にした規制と考えられますが、いずれにしても、子犬の繁殖に従事する繁殖犬のメス犬を少しでも楽にするための規制なのです。

中国では既に実用化されているとされるクローン犬は、かつては1頭700~1,400万円していたのが、200万円台で手に入るようになっているそうです。
元の犬の皮膚細胞から取り出されたDNAを卵細胞に移植して、それを代理母犬の子宮に着床させるという方法なので、やはり母犬が繁殖に使われることに変わりはありません。

牛は、ほぼ100%人工授精で、受胎させています。国家資格の人工授精師がいて、乳牛の場合には牛乳の生産量が多いメス牛を作るため、肉牛の場合には、肉質の優れた肉牛を作ることを目的にしています。
犬でも、フレンチ・ブルドッグやパグなどの短頭種は、うまく交尾ができないので、人工授精を行うことが多いのです。自然交配に比べて受胎率が低いとされていますが、メス犬にとっては、交配によるストレスが軽減されること、そして感染症のリスクが少ないことなどがメリットと言われますが、繁殖という観点からは、人工授精の場合には、胎仔の数が少なくなる傾向があって、胎内で大きく育つので、難産になりやすいとされています。

子犬を生産するためには、メス犬の身体を借りなければならないのであれば、せめて生殖のストレスを減らすことができる「人工授精」を推奨します。

(1)人工授精キットは、6,000円~9,000円で、ネット販売されています。
(2)メス犬は、発情(ヒート)の出血が始まってから7日前後に、動物病院で、スメア(膣垢)検査や血中プロジェステロン検査をして、排卵日を予測します。
(3)オス犬は、亀頭球をマッサージすると、15分から30分ぐらいかけて、すこしずつ射精するので、全て採取します(新鮮精液)。
(4)採取した精液を、尿道用カテーテルやバルーンカテーテルで、メス犬の膣の子宮頚部の奥の卵巣直下に注入します。メス犬の陰部をつまんで、5分ぐらいマッサージします。実施回数は2~3回。
(5)メス犬の妊娠判定は、人工受精から30日後に、動物病院でエコー検査を行い、胎嚢が観察できたら、妊娠確定です。