活動の理念

保護犬でもなく、ショップ犬でもない、リボン・ドッグ

「保護犬」には、明確な定義はありませんが、様々な理由で不用とされた犬たちです。保護犬には、動物愛護センターに収容されていて、「引き取り手がなければ、殺処分されてしまう犬たち」、繁殖犬としての役割を終えて、ブリーダーから手放される「繁殖引退犬」、何らかの理由で飼えなくなって、一般の飼い主が手放した「継続飼育困難犬」、野山で自然繁殖した「野犬やその子犬たち」などが含まれます。

子犬のしあわせエージェントで紹介している子犬たちは、ブリーディングの専門職であるブリーダーが、販売することを目的として、繁殖生産した子犬たちです。これまでは、何らかの理由で、一般のペットの流通プロセスに乗らなかった子犬たちも、保護団体が保護していることから「保護犬」として譲渡されてきましたが、子犬のしあわせエージェントでは、「保護犬」ではなく、独自の「リボン・ドッグ」という呼び方をしています。リボン(RIBBON)は、「約束」「絆」を象徴するもので、「縁を呼ぶもの」とされています。

日本では、年間、推定60万頭の子犬が供給されていて、そのうちの40%程度がペットショップでの販売と言われますが、一般的なペットの流通プロセスに乗らない子犬たちがいます。

純血種には、主に審美的な観点から決められた規格(スタンダード)が定められています。しかし、例えば、単色の被毛に白い模様が混じっている「ミスカラー」、顔の被毛の模様が整っていない「面づれ」、更には「小さければ小さいほど良い」といった消費者嗜好に合わないオーバー・サイズなどの特徴のある子犬は、一般的なペットの流通プロセスから外れてしまうことがあるのです。

農業の場合には、生産者は、自分が作った農作物が少しでも高く評価されて、少しでも高く売れることを目指すように、子犬を繁殖しているブリーダーも、今、商品的に価値が高いとされる「マズルの詰まった丸顔で、小柄な子犬」を作出しようとします。

小さくて、かわいい子犬を愛おしく感じるのは、人の自然な気持ちですので、それを否定することはできません。例えば、ミッキーマウスは、ウォルトディズニーが最初に描いた時には、鼻のとがったネズミそのものだったのですが、それが時を経るにつれて、どんどんデフォルメされて、お馴染みの丸顔になりました。また、トイプードルは、どんどん小型化していって、究極の「ティーカップ」サイズに行き着いたのです。これまで、人類は、犬という種族にそういった遺伝的な操作を繰り返すことで、多様な犬種を作出してきたわけで、今に始まったことではありません。

しかし、「見た目」での商品価値で高い評価を得られなかった子犬だったとしても、それをもって、良き家庭犬となる資質がないということではありません。どの子犬でも、その命の価値に違いがあってはならないと考えています。